先輩VOICE

青山 愛 東京都 / 東京学芸大学附属高等学校

私が考える生命医科の強み

私が考える生命医科の強みを挙げてみたいと思います。

一つ目に、生命医科では多くの学びのきっかけを得ることができます。医学・理学・工学のバックグラウンドを持つ先生方から講義を受けることができ、先生方それぞれの視点から生命科学へアプローチする方法を学ぶことができます。様々な分野を学ぶ「きっかけ」を持つことができることは、自分の世界を広げ、興味の対象を探していく上で大変重要だと思います。また、講義や実習で得た知識や経験は、基礎体力として研究活動に活きてくると日々実感しています。

二つ目に、生命医科には学ぼうとする姿勢を応援してくれる環境があります。学部生の頃、講義を一度聞いただけでは理解が追いつかず、何度も復習したり、図書館で文献を調べたりしていました。それでも分からず、解決できなかった疑問を先生方に何度も質問しました。先生方は忙しい中でも、一つ一つの質問に丁寧に答えてくださいました。その過程で、答えが未だ得られていないものがあるということを知り、これから研究されて明らかにされていくのだと実感できたことは大変印象深い経験です。

私は現在、発がんの初期過程に着目した研究を行っています。地道な実験の積み重ねですが、どんなに小さな進歩でも、この世界の誰も知らない結果を見ている、と思うと胸が躍ります。その結果をもとにどんな仮説が考えられるのか、どんな実験ができるのかについて、先生方、先輩後輩と議論し、研究を進めていく過程がとても楽しく刺激的な毎日です。振り返れば高校生の頃、小さな細胞の中で繰り広げられる複雑で精巧な生命現象に強く惹かれ、「生命」を学びたいという直感に突き動かされて、部活や行事や勉強にいっぱいいっぱいになりながらも大学へ進学しました。そのような私にとって、この生命医科学科で温かいサポートのもと、自分の興味の対象をじっくり探ることができたからこそ、人生にわたって熱意を持って取り組みたいと思えるものを見つけられたのだと思っています。