先輩VOICE

山﨑 美輝 埼玉県 / 早稲田大学本庄高等学院

基礎(知識)から応用へ

生命医科学科では、生命現象を解明するために必要となる医学、理工学の学問を幅広く学びます。そのため、学部生の頃は授業についていくのにとても苦労しました。

学部4年生から研究室に所属して研究を進めていく中で、医学、理工学どちらの知識も必要であることを実感しました。私の所属する竹山研究室では、ドロップレット技術や微小組織採取技術、ラマン分光法などを応用し、環境微生物や生体組織の生命現象解明に向けて研究を進めています。私の研究テーマは、病理組織の生命現象解明に向けた空間的マルチオミクス解析技術の開発です。技術開発は、既存技術の組み合わせや改良により行われます。教科書で学ぶ技術や、論文上で新しく発表された技術からアイデアを得るには、生命医科学科で学んだ医学や理工学の基礎知識が必要となります。さらに、既存技術との比較や生体組織のオミクス解析には、統計学や生命情報学の知識が必要となります。生命医科学科では、学部生の授業でこれらの基礎知識をつけることができます。
また、開発した技術は実際に応用し、新たな生物学的知見の獲得につながることが期待されます。生命医科学科には、医学、理学、工学を専門とする先生方の研究室があり、私たちの開発した技術の応用先として共同研究が多岐に渡って行われています。これまでの共同研究では、アルツハイマーモデルマウスや脊椎損傷モデルマウスの解析などに応用し、病態特異的な発現変動遺伝子を検出しています。

入学した頃の私は博士課程への進学は考えていませんでしたが、研究室に所属し先生方やスタッフの方と研究を進めていく中で、私もこの方達のようになりたいと思うようになりました。私は学会発表に参加した際、開発してきた技術を応用したいと言ってもらえるととても嬉しくなります。今後の研究において新たな生物学的知見の獲得に少しでも貢献できるよう、取り組んでいきたいと考えています。