みなさんはこれまでの人生の中で興味を持てる分野、勉強したいと思える分野を見つけることはできましたか?私は高校生の時に具体的な目標や勉強したいと思える学問はありませんでした。唯一、大まかに「自分の体の仕組み」について学びたいという思いを抱いていました。今思えば数ある学問の外面しか見ておらず、判断材料の少ない高校生に専門分野を決めさせるというのは難しいものであったと思います。
そんな私ですが、現在糖尿病という病気を治療するために日々、遺伝子やタンパク質の世界と向き合っています。どんな結果が出ようがそれは新たな発見であり、そこから考察されること、学べることは無数にあります。生体内では遺伝情報が詰め込まれたDNAからRNAに転写され、タンパク質に翻訳されます。これは高校時代に教科書に書いてある知識ですが、実際に自分で実験を構築し、考察すると世界は全く違うものになります。4種類しかないDNAの塩基配列をたった数塩基変えるだけで、目に見えてマウスの体に変化が起きます。そんな生命の奥深さに感銘を受けさせられた環境が早稲田大学の生命医科学科です。学部の始めには生物学の他に、数学、統計学、物理学、化学といった幅広い学問を学びます。そこから少しずつ専門的な講義が増え、自由に選べる講義も増えてきます。その後研究室に配属され、主体的に実験を行うようになります。その際、各研究室の専門分野も多岐に渡り、自分の興味を持った分野の最先端の研究を行える仕組みになっています。TWInsでの研究活動は研究室内だけでなく、他研究室の学生とも意見交換ができ、日々刺激をもらっています。
論理的で多角的な視点は今後いかなる場面においても必要な能力です。学問を修めていくための知識や、ともに高めあえる仲間、人生の大きな転換点である大学生活をおくるのに相応しい環境がここにはあります。少しでも基礎医学に興味を持った方は生命医科学を目指してみてはいかがでしょうか。