私は、高校生のときの身内の病気をきっかけに医学に対して自分に何かできることはないだろうかと考え、生命医科学科を志すようになりました。しかし、一口に医学への貢献といっても医者や医療機器の開発、製薬などの様々な立場や方法があります。今にして思えば非常にざっくりとした志望動機であったように思いますが、今だから言えることとして、最初から明確な目標のある人だけでなく、私のように曖昧な目標を持つ人にとっても生命医科学科は非常に有益な環境なのではないかと感じます。
私の場合、生命医科学科での生活を通して生物・医学系だけでない分野に触れるだけでなく、研究とは何かとても考えさせられました。そして、あらゆる発見、発明の根底には研究があり、医学においてもそれは例外ではありません。そのため、私は基礎研究を通して医学の発展に貢献したいと考えるようになりました。現在の私は、乳がんにおける転移のメカニズムの解明について研究を行っています。がんという病気において死亡原因の多くは転移によるものです。そのため、自分の研究による発見がいつか新たながんの治療法へとつながり、誰かの命を救うことができるかもしれないという気持ちで日々研究を行っております。それと同時にこれから研究を続ける上で必要なスキル、考え方を教授やスタッフの方々から学んでいます。
生命医科学科は皆さんの将来に進む道に対し、様々な選択肢を与えてくれる場であると思います。研究をしたいという人はもちろん、研究がどのようなものかまだよくわからないが、医学系の分野に興味があるという人でも生命医科学科の中でなら自分のやりたいことを見つけられると思います。